裏面交流
事例で学ぶ4コマ劇場 今月の接遇ワンポイント情報
ワンポイントアドバイス
患者様は、あいちゃんからの投げかけに受け答えをしていますが、段々表情が険しくなりました。あいちゃんには、どうしてなのか分かりません。
人には、思っていても言えないこと、言わないことがあることをご存じでしょうか。言葉の奥にある裏面について、あいちゃんの事例をもとに考えてみましょう。
裏面交流
裏面交流とは、心理学で用いられる"交流分析"の一つで、言葉のやりとりと本心が異なっていることをいいます。
今回の事例では、患者様は差し障りのない受け答え(言葉)に止めていて、その心の奥に何かあるようです。心の中を推し量ってみましょう。
- 毎日きちんと薬を服用しているのに、服用を確認されるなんてとんでもない
- "また"だなんて、血糖値を抑えるためにケーキは食べないよう努力しているのに
- 他の患者さんに聞こえていたらどうしてくれるの
- 歳の若いスタッフから見下されているように思えるわ
- 先生の治療を受けに来たのに、こんな言われ方されるなんて酷い 等
言葉の奥には、面と向かって言えない、言いたくない思いがあるから、患者様の表情が険しくなったのではないでしょうか。
医療スタッフは、効率的な仕事をすることも大切ですが、相手の心に負担をかけない配慮も必要です。
そのために、相手の表情や声のトーン、言葉数など、小さな変化に気づくことができると良いでしょう。
併せて、相手の期待を推し量ることができると、さらに応対力がアップして、院内のCS(患者様満足)も高くなることでしょう。