『人格の尊重』
事例で学ぶ4コマ劇場今月の接遇ワンポイント情報
ワンポイントアドバイス
今回の事例でアイさんは、お待ちいただいていることに対してのお詫びを伝えていました。このこと自体に問題はないのですが、その後大きな音を立てて勢いよくドアを閉じていました。
このような大きな音を立てたドアの開け閉めだけに限らず、部屋の出入りや患者様への声かけなど、日頃スタッフの皆様はどのような行動をとっていますか?
- 無言で部屋に出⼊りしたり、無⾔でドアやカーテンを開閉していませんか?
- 言葉をかけるのと同時にドアやカーテンを開け、患者様に不快な思いをさせていませんか?
その空間は、誰のためのものでしょう?
患者様に良い環境で医療を提供しようとするならば、「失礼します」と優しい言葉をかけてから一呼吸おいて、部屋に入る・(大きな音を立てずに)ドアを開ける・(大きな音を立てずに)カーテンを開ける、といった行動が伴うでしょう。
接遇のステップを考えてみますと、
① 不快にさせない
② 好感と信頼を届ける
③ ⼈格の尊重
の段階に分かれます。
人格の尊重とは、実に幅広い解釈ができます。お子様や高齢者を幼児扱いしない、といった考え方も当てはまります。もっと深く解釈をしてみれば、相手の存在価値を受け止める応対をも、意味しています。
相手の年齢や性別に関係なく、一人の人間として捉え、人格の尊重を心掛けていれば、おのずと温かな表情や言葉、優しい仕草、態度となって表れるのです。その行動が患者様にとって、自己の存在を受け入れてもらえる安心感、すなわち生きていることへの充実感へと繋がるでしょう。