医療の広告規制に見直しの動き
今年3月、厚生労働省より「医療法等の一部を改正する法律案」が国会に提出されました。安全で適切な医療提供の確保を推進する改正案です。今回はこの中から特に「医療に関する広告規制の見直し」に注目してみましょう。
ホームページも規制対象に
昨今は特に美容医療サービスでの消費者トラブルの相談件数が増加しており、ホームページに記載された虚偽や誇大等の不適切な表現も、その要因として問題視されています。
そのため今回の改正案では、これまで規制対象外であった医療機関のウェブサイト等を適正化することが明記されています。
改正案の文言をチェック
広告に関する改正案は、主に医療法第6条の5に係る部分です。具体的にどのような文言が付け加えられているかをみてみましょう。
まず、対象を単なる「広告」とせず、「広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示をする場合には」としました。これにより、ウェブサイト等による情報提供も同法の適用対象となり、「虚偽の広告をしてはならない」との規定の下に置かれます。今後は、ホームページ等の記載についても、医療広告ガイドラインに沿っているか否かに留意する必要があります。
さらに改正案では、医療を受ける者が適切な選択を阻害されることのないよう、次の3つの広告を禁止しています。
また、これ以外についても、医療に関する適切な選択に必要な基準が、厚生労働省令で定められる見通しです。
改正案、その他の項目は?
改正案には、他に以下の内容が含まれます。
①検体検査の精度の確保
②特定機能病院のガバナンス体制強化
③持分なし医療法人移行計画認定制度延長
③は持分なし医療法人への移行促進と法人経営の透明化等のため、移行計画の認定要件が見直されています。ここには、認定期間の3年間延長(平成32年9月30日まで)も盛り込まれており、改正案通りに成立すると、平成29年10月1日の施行となります。