次の診療報酬改定はどうなる?
6年に1度の介護報酬との同時改定として注目される「平成30年度の診療報酬改定」。厚生労働省内でも既に本格的な議論が始まっています。どのような内容となるのでしょうか。同省の発表資料※から方向性を探ります。
大きな節目となる改定
同時改定となる次期改定は、医療介護総合確保方針、医療計画、介護保険事業(支援)計画、医療保険制度改革等、医療・介護関連制度の一体改革にとっても、大きな節目となる改定であると位置付けられています。
診療報酬は、医療と介護の提供体制の確保に大きな影響を及ぼします。人口構造の変化に伴う医療・介護体制の整備、社会保障制度を支える財源の問題はもちろんのこと、ICTやAIの利活用等、新しい技術による変化も見逃せません。団塊世代が75歳以上となる2025年に備えるだけでなく、そこから先の将来をも見据えた、きわめて重要な改定となります。
ポイントは「医療と介護の連携」
平成24年の同時改定、それに続く26年、28年の2回の診療報酬改定では、地域包括ケアシステムの構築の推進や、医療・介護の連携についてが検討されました。この方向性は、30年度の診療報酬改定にも引き継がれます。特に重要とされる3つの内容を、次にご紹介します。
療養病床・施設系サービスにおける医療
- 介護療養病床の⾒直し(新施設体系)を踏まえた、外付け医療サービスの給付調整の在り⽅
- 療養病棟の⼊院患者の患者像を踏まえた適切な評価の在り⽅
居宅等における医療(訪問診療・訪問介護・⻭科訪問診療、薬剤師の業務等)
- 介護報酬における居宅療養管理指導による評価と、診療報酬における訪問指導管理の評価の在り⽅
- 医療と介護の訪問介護のサービスの在り⽅
- 居宅等における看取り⽀援の在り⽅
維持期のリハビリテーション
- 外来や通所におけるリハビリテーションの在り⽅
- 地域(居宅等)におけるリハビリテーションの在り⽅
※厚生労働省「平成30年度の診療報酬改定に向けた現状と課題について」
診療報酬改定を審議する厚労省の中央社会保険医療協議会(中医協)は昨年12月14日の総会で資料を提示し、今後の方向性、考え方を示しています。
詳細は次のURLのページからご確認ください。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000145939.pdf