医者の不養生?医療現場の労務管理
先日、医師の3 割が法定健康診断を受けていないというデータが報じられていました。「医者の不養生」と言いますが、つい自分のことは後回しとなっている医師・看護師は多いようです。今回は先般公開された、医療現場の労務管理改善ツールをご紹介します。
勤務医の健康支援のために
勤務医の労務管理・分析改善ツールは、日本医師会「勤務医の健康支援に関する検討委員会」が議論と現場における検証の集大成として発表したもの(※)で、次の二部構成となっています。
STEP1 チェックリストによる現状把握・分析
勤務医の労働管理に関して5 つの設問に答え、現状把握を行い、改善すべき点を導き出します。
STEP2 労働環境改善の手順
病院内に改善チームなどを立ち上げ、働き方の方針づくりや体制づくりを行い、PDCAサイクルのスパイラルアップの取組で勤務医の労働環境改善を進めることが提案されています。また、すぐに始められる小さなことからルールをつくっていくことが望ましい、と述べています。
看護師の健康支援のために
日本看護協会からは、「看護師の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン(※)」が発表されています。注目すべき点は、看護労働者の夜勤・交代勤務による健康・安全・生活への影響を少なくする観点から、「勤務編成の基準」として11 項目の提案を行っている点です。
※日本医師会「勤務医の健康支援に関する検討委員会報告書」
http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20130410_3.pdf
日本看護協会「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」
http://www.nurse.or.jp/nursing/practice/shuroanzen/guideline/index.html
消費税率UP、医療機関の高額投資の負担はどうなる?
消費税率の8%への引上げを来年4 月に控え、診療報酬等における対応についての議論が始まっています。厚生労働省は、中央社会保険協議会「医療機関等における消費税負担に関する分科会」において、医療機関の高額投資による消費税の負担について、「全て診療報酬上乗せで対応する」案と「診療報酬上乗せ対応に加え、高額投資による対応を行う」案の2 案を示しました。医療機関を対象に行った「設備投資に関する調査」の結果も踏まえ、今後更に議論される予定です。