平成28年度税制改正 福祉施設編
平成28年度税制改正大綱から、福祉施設関連項目に注目します。公益法人等課税のあり方については、引き続き検討課題となっています。
サ高住の割増償却、引下げかつ延長
サービス付き高齢者向け賃貸住宅の割増償却制度は、割増償却率を現行の14%から10%に(耐用年数35年以上は現行20%→14%に)引き下げた上、期限が1年間延長されました。
社会福祉法人等へ寄附、特別控除を緩和
個人寄附に係る税額控除が認められている社会福祉法人等について、小規模法人に配慮し、税額控除の対象となるための必要寄附者数の要件が事業規模に応じて緩和され、年平均の判定基準寄附者数により判定する「パブリック・サポート・テスト」の絶対値要件が、各事業年度の公益目的事業費用等の額の合計額が1億円に満たない公益法人等については、「その公益目的事業費用等の額の合計額を1億で除した数に100を乗じた数(最低10人)以上」かつ「その判定基準寄附者に係る寄附金の額の年平均の金額が30万円以上」に変わります。
学資に充てるための金品の非課税所得
「学費に充てるため給付される金品」のうち、「給与その他対価の性質を有するもの」には所得税がかかります。
しかし平成28年4月1日以後は、役員や特殊関係者等に給付されるものを除き、「給与所得を有する者がその使用者から通常の給与に加算して受けるもの」について所得税がかからないこととなります。
消費貸借契約に係る印紙税の非課税
高等学校、大学等の経済的理由による修学困難者に対して無利息その他一定の条件で行われる学資金の貸付(文科大臣の確認を受けたものに限る)に係る消費貸借契約書で、平成28年4月1日から平成31年3月31日に作成されたものは、印紙税が非課税となります。
通勤手当の上限引上げ
平成28年1月1日以後に受けるべき通勤手当について、非課税限度額が月額10万円から月額15万円に引上げとなります。
法改正を前提とした非課税措置
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の改正を前提に、改正後の障害福祉サービス事業等について、社会福祉法人が当該事業用に取得する不動産の所有権移転登記等に対する登録免許税が非課税となる他、消費税も非課税となります。