福祉施設などにおける3年前と比較した労働者の状況変化
今福祉・介護業界では人材不足が大きな問題となっています。ここでは、昨年11月に発表された厚生労働省の調査結果(※)から、3年前と比較した福祉施設や医療機関(以下、医療,福祉という)の労働者の状況変化をみていきます。
正社員数の状況
上記調査結果から、医療,福祉の事業所における3年前と比べた正社員数の変化をまとめると以下のとおりです。
医療,福祉では正社員数が増えた事業所の割合が27.0%で、調査対象全体の平均である総数の20.6%を上回りました。減った割合は14.5%で総数の27.2%に比べて低くなりました。医療,福祉では正社員が増加した事業所が増えていることが分かります。
正社員以外の労働者比率の変化
次に正社員以外の労働者比率の変化をみると、下表のとおりです。26年の結果をみると、医療,福祉は上昇した事業所の割合が16.6%、低下した割合が11.7%で、総数より上昇した割合が高く、低下した割合が低くなりました。前回調査の22年の結果をみると、医療,福祉の上昇した割合は14.7%で、正社員以外の労働者比率が上昇した事業所が増えていることが分かります。
パートタイム労働者の比率が高い
最後に3年前と比べて労働者比率が上昇した正社員以外の就業形態をみると、医療,福祉ではパートタイム労働者の比率が上昇した事業所が76.9%で、最高の割合となりました。
また、今後比率が上昇すると思われる就業形態についても、医療,福祉ではパートタイム労働者と回答した事業所割合が70.1%と高くなっています。
上記調査結果によると、パートタイム労働者を活用する上では、「定着性」が一番の問題点となっています。人手不足が深刻化している福祉・介護業界では、パートタイム労働者を含むすべての労働者の定着率を高めることは重要課題です。自施設の状況を振り返り、必要であれば、定着性を高めるための取組を行うことが求められます。
※厚生労働省「平成26年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況」
日本標準産業分類(平成19年11月改定)に基づく16大産業に属する5人以上の常用労働者を雇用する事業所及び当該事業所に就業している労働者を対象にした調査です。調査対象数は16,973事業所、有効回答数は10,938事業所、有効回答率64.4%となっています。
詳細は次のURLのページからご確認ください。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keitai/14/index.html