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高齢者事故 リスクはどこにあるのか

高齢者は、身体機能や判断力の低下、認知症等、事故リスクが高まる要因が各所に潜んでいます。今回は、高齢者の事故に関する2つの報告に注目します。

福祉用具事故、37%が始めの1年未満

製品評価技術基盤機構(NITE)によると、介護ベッドや電動車いす等の福祉用具について、平成22~26年度の5年間に通知された製品事故情報147件のうち、55件(37.4%)が使い始めから1年以内に発生していることが分かりました。使用に不慣れだったことが事故の原因の一つと推測されています。

被害状況は「死亡」「重傷」等の重篤な被害が100件(68.0%)で、とっさの危険回避が困難な高齢者の事故は被害が大きくなる傾向がうかがえます。

製品別の内訳では、介護ベッドが62件で最も多く、次いで電動車いすが39件でした。

介護ベッドは「隙間を確認し、カバー等で隙間をなくす」、電動車いすは「路肩に寄りすぎない」「溝に対して直角に」等の対策が呼びかけられています。

誤飲事故、内服薬の包装が4割

27年の消費者庁の注意喚起によると、消費者庁に寄せられた65歳以上の高齢者の誤飲・誤食事故は165件で、うち、内服薬等の包装の誤飲が69件(41.8%)を占めることが分かりました。次いで洗剤・洗浄剤26件、部分入れ歯等17件、乾燥剤11件でした。

内服薬等の包装の誤飲69件のうち53件はPTP包装シートの誤飲で、5件は入院に至っています。PTP包装シートはプラスチックにアルミ等を張り合わせたもので薬剤包装の主流ですが、飲み込むと人体内部を傷つけ、穴を開けるなどの重大な傷害を招く恐れがあります。

しかし、痛みなどの症状が表れるまで誤飲に気づきにくい上、素材がX線を透過するため発見が遅れ重症化するケースもあります。対策として、「薬のPTP包装シートを1錠ずつに切り離さない」等が紹介されていました。

特養の7割が改定後に減収/福祉医療機構(WAM)調査

WAMが特別養護老人ホームを対象に行った「平成27年度介護報酬改定等の影響に関するアンケート調査」によると、サービス活動収益について約7割が「前年度よりも減収」と回答しています。

介護職員処遇改善加算は99%が届出を行い、うち約9割が「加算区分Ⅰ」を算定していますが、約7割が基本報酬の減算を「補えない」と回答していました。

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