医療機関などの労働時間や休日の状況
業種を問わず過重労働が問題となっています。ここでは、昨年10月に発表された厚生労働省の調査結果(※)から、医療機関や福祉施設(以下、医療,福祉という)の労働時間や休日の取得状況などに関するデータをみていきます。
所定労働時間は平均より長い
医療,福祉の労働者1人平均の所定労働時間をまとめると以下のとおりです。1日の所定労働時間は調査計(全体の平均)より2分、1週間の所定労働時間は調査計より16分長くなりました。
ほとんどが週休2日制を採用
医療,福祉が採用している週休制の形態については、何らかの週休2日制を採用している企業割合が92.7%となりました。なお完全週休2日制の割合は67.9%で、調査計の50.7%を上回っています。
年間休日は100日以上が9割
年間休日総数の割合と労働者1人平均年間休日総数は下表のとおりです。医療,福祉では、100~109日とした企業割合が42.7%と最も高くなりました。労働者1人平均年間休日総数は111.9日で、調査計よりも1.3日少なくなっています。
有給休暇取得日数は平均で8.6日
労働者1人平均の有給休暇の付与日数や取得状況をまとめると、労働者1人平均取得日数は8.6日で、調査計とほぼ同じとなりました。取得率は50.8%で調査計の47.6%を上回りました。
労働時間や休日は、賃金と並んで従業員が不満を抱きやすいため、自院の状況をこうしたデータと比較し、問題があるようであれば、改善していくとよいでしょう。
※厚生労働省「平成27年就労条件総合調査結果の概況」
日本標準産業分類(平成19年11月改定)に基づく16大産業に属する常用労働者が30人以上の民営法人から、産業、企業規模別に一定の方法により抽出した法人を対象にした調査です。調査対象数は6,302、有効回答数は4,432、有効回答率は70.3%となっています。
詳細は、次のURLのページからご確認ください。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/15/index.html