スマートフォンやタブレット端末を業務に利用する際の注意点
医療機関でよくみられる人事労務Q&A
Q スマートフォンやタブレット端末を導入し、業務の効率化を目指したいと思います。労務管理上、導入にあたって注意すべき点は何かありますか?
A タブレット端末等の導入は、業務の効率化やサービスの向上が図られるというメリットがある反面、勤務時間内の私的利用も想定され、更には情報漏えいリスクも伴います。トラブルを防止するためには、運用ルールを明確化すると同時に、運用の実行性を高めるために職員教育も行うべきでしょう。
詳細解説
このところ、高速データ通信や、様々なアプリケーションをタッチパネル形式で手軽に利用できるスマートフォンやタブレット端末の普及が急速に進んでいます。医療機関においても、問診票として使用するなど用途は幅広く、業務効率化のみならず、サービスの向上にも役立っているようです。
ところが一方で、様々なアプリケーションソフトをインストールすることもできるため、勤務時間中にゲームをしたり、私的メールの送受信等を行ったりして、業務とは関係のないことに没頭してしまい、規律が乱れて困っているという医療機関も増えています。また、タブレット端末等を外出先で紛失することなどにより機密情報が漏えいしてしまうのではないかと不安に陥る医療機関も多いことから、事前の対策が求められます。
こうした諸問題の対策としては、まずはタブレット端末等の使用にあたってのルールを具体的に明確化することが必要です。例えば、次のようなルールを決めておくことがよいでしょう。
- 勤務時間中の私的利用の禁止
- 写真撮影の禁止
- 使用できる機能の制限
- パスワードによる閲覧制限 等
これらのルールについてまとめていくことになりますが、最終的には「タブレット端末利用規程」や「情報管理規程」といった規程を整備することが理想的です。更には、それらの内容を職員に浸透させるために、具体的なケースを用いた研修を開催し、行ってよいこと、悪いことをしっかり理解させておきたいところです。
今後、このような媒体は更に進化をするものと考えられますので、対策を講じることは時代の趨勢として捉え、トラブルが生じる前に運用ルール等を整備しておきたいところです。