「骨太の方針」にみる、今後の医療業界
「経済財政運営と改革の基本方針2015」(※)、いわゆる「骨太の方針」が6月30日に閣議決定されました。社会保障分野から、医療関連に注目します。
医療・介護提供体制の適正化
- データ分析による「見える化」を踏まえた、病床機能分化や連携の推進、地域差の是正
- 慢性期の医療や介護提供体制の見直し
- 外来医療費は、重複受診、重複投与、重複検査等の適正化を通じて地域差を是正
- かかりつけ医普及のための診療報酬上の対応や、外来時定額負担の検討
インセンティブ改革
- 特定健診、がん検診の受診率向上の取組
- ヘルスケアポイント付与や保険料支援
- がん対策の取組を一層推進
公的サービスの産業化
- 企業による健康経営の取組との更なる連携
- 公的保険外サービスの産業化の促進
- マイナンバー制度のインフラ活用
能力に応じた公平な負担、給付の適正化
- 高額療養費制度、後期高齢者の窓口負担の在り方について検討
- 医薬品や医療機器等の保険適用の費用対効果を平成28年度診療報酬改定に試行的導入
- 生活習慣病治療薬の処方の在り方等の検討
- 市販品類似薬に係る保険給付の見直し
- 不適切な給付防止の検討
薬価・調剤の診療報酬改革等
- 後発医薬品シェア、2017年央に70%以上
- 2018年度までに薬価改定を検討
- かかりつけ薬局推進のため、平成28年度診療報酬改定において患者本位の医薬分業実現に向けた見直し
※詳細は次のURLのページからご確認ください。
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2015/decision0630.html
医療版マイナンバー制、2020年までに本格運用
同じく6月30日に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2015」には、医療版マイナンバー制の導入が盛り込まれています。ここでは、セキュリティーの徹底的な確保を図りつつ、マイナンバー制度のインフラを活用した医療等分野における番号制度を、2018年から段階的に運用開始し、2020年までに本格運用とする方針が記載されています。