「お泊りデイ」の運営指針が定まる
介護保険の通所介護(デイサービス)事業者が時間外である夜間に利用者を宿泊させる「宿泊サービス」、通称“お泊りデイ”。介護保険の適用外であるため、これまで一定のルールがないまま各事業者の判断で運営されていましたが、厚生労働省から4月末に指針が発出されました。その内容を確認します。
最低限の質の確保を
今回の指針は、宿泊サービスの最低限の質を担保する観点から定められたものです。ここには事業者の責務、人員、設備、運営について網羅されており、緊急時の対応、衛生管理はもちろん、秘密保持についても言及されています。
主な内容は以下のとおりです。
宿泊サービスの提供
利用者の心身の状況や、利用者家族の疾病、冠婚葬祭、出張等の理由等により提供されるサービスで、緊急時、短期的な利用に限られる。
人員
夜勤職員として介護職員又は看護職員(看護師又は准看護師)を常時1人以上確保。食事の提供を行う場合は、食事の介助等に必要な員数を確保。
利用定員
宿泊サービスの利用定員は、その指定通所介護事業所等の運営規定に定める利用定員の2分の1以下、かつ9人以下。原則1室あたり1人。相部屋の場合は1室あたり4人以下。
宿泊サービス計画の作成
概ね4日以上連続して利用することが予定されている利用者については、その利用者の指定居宅介護支援事業者等とも連携を図った上で宿泊サービス計画を作成すること。
秘密保持
宿泊サービス従業者は、正当な理由なく利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう措置を講じ、指定居宅介護支援事業者等との連携において個人情報を用いる場合は、予め利用者、家族の同意を文書により得ておくこと。
届出と記録の整備を義務付け
この指針により「宿泊サービス」を提供する場合には、事前に都道府県等に届け出ることと、記録を整備することが義務付けられました。この届出において事業者は、定員、人員、料金等の他、消防設備の有無についても記載することになります。