27年度介護報酬改定でどう変わるのか
4月より順次施行される27年度介護報酬改定。処遇改善、介護サービスの充実等の引上げを含めた上でも全体でマイナス2.27%と、大幅な引下げとなりました。今回は、特に影響が大きいことが予想されるサービスに注目します。
通所介護 特に小規模型は大幅削減
通所介護の基本報酬は、要介護3の利用者が「7時間以上9時間未満」のサービスを受けた場合、小規模型が102単位減の1,006単位、通常型が46単位減の898単位、大規模型(Ⅰ)は45単位減の883単位で、特に小規模型で大幅かつ深刻な削減となっています。
新設の認知症加算(60単位/日)、中重度者ケア体制加算(45単位/日)、個別機能訓練加算をいかに取得できるかが鍵となります。
特定施設は要支援2で3割超の減
特定施設入居者生活介護の基本報酬は、要介護5で46単位減の798単位ですが、要支援2では、10対1への人員配置の見直しの影響で、148単位減の308単位となっています。
今後は新設されたサービス提供体制加算、認知症専門ケア加算や、拡充された看取り加算取得がポイントとなります。
特養は8月以降の変化にも注目
内部留保が多いことが指摘されていた介護老人福祉施設の基本報酬は、要介護5の場合、ユニット型で53単位、多床型51単位(24年度以後の新設では42単位)の削減に収まりました。多床室については、今年8月より更に室料相当の47単位が減少し、同時に基準費用額470円/日が上乗せされる予定です。
一方で、看取り介護加算、在宅・入所相互利用加算が拡充されています。
老健は在宅復帰支援機能が求められる
介護老人保健施設の基本報酬は、要介護3の場合、強化型で15単位減、通常型で27単位減と差がついており、在宅復帰・在宅復帰支援機能が高い施設が優遇される改定となりました。更に、在宅復帰・在宅療養支援機能加算も強化されています。
地域包括ケアでは新設の加算が切り札
基本報酬が減算される一方で、地域包括ケアサービスでは、切り札として注目したい加算も新設されています。総合マネジメント体制強化加算、訪問体制強化加算、訪問看護体制強化加算はいずれも単位が大きく、基本報酬減額分の埋め合わせへの貢献が期待できます。