平成27年度税制改正 医療編
平成27年度税制改正が閣議決定されました。今回は、この中から医療関係の改正に注目します。
高額医療用機器の特別償却制度、延長
医療保健業を営む個人又は法人が、取得価額500万円以上の高額な医療用機器(高度な医療の提供に資するもの又は指定を受けてから2年以内のもの)を取得した場合に、取得価額の12%の特別償却を認める特例措置が、対象機器を見直した上で、適用期限が2年延長されます。
一方、取得価額の16%が特別償却として認められる“医療安全に資する医療機器等(警報機能付きの人工呼吸器とシリンジポンプ)”については、平成27年3月31日の適用期限到来をもって廃止されます。
医療に係る消費税課税は、引き続き検討
消費税率10%への引き上げ実施は、1年半持ち越されました。この引き上げに伴う医療に係る消費税課税のあり方について、次の検討とあわせて、医療関係者、保険者等の意見も踏まえた上で総合的に検討し、結論を得ることになりました。
- 個々の診療報酬項目に含まれる仕入税額相当額分を「見える化」することなどにより実態の正確な把握を行う
- 医療保険制度における手当のあり方
その他の主な改正、検討項目
【改正項目】
- 法人税率の引き下げ
- 社会医療法人の認定要件の見直し
- 医療法人の分割制度創設に対する税制措置
- 大法人(持分あり医療法人のうち出資金1億円超)の欠損金の繰越控除制度の縮減
- 事業所内保育事業の固定資産税等非課税
【検討項目】
- 事業税における社会保険診療報酬に係る実質的非課税措置及び医療法人に対する軽減税率のあり方
- 個人事業者の事業承継に係る税制
同一建物同一日の訪問診療、26年改定後、増加傾向に
厚生労働省中医協“診療報酬改定結果検証部会”の調査によると、前回の改定後、訪問診療を行っている居宅・施設数、患者数の平均は、診療所・病院の別を問わず概ね同等又はやや増加、訪問回数の平均も、診療所・病院の別を問わず増加していることが分かりました。