後方からの配慮
事例で学ぶ4コマ劇場 今月の接遇ワンポイント情報
ワンポイントアドバイス
接遇研修でも“空間の使い方”としてお伝えしていますが、人が相手を受け入れることのできる空間はとても狭く、だいたい正面前方90度くらいです。こちらより後方は“魔の空間・恐怖の空間”とされていて、急に話しかけられたり・体に触れられたりすると驚いたり、恐怖を感じるとされています。
あいちゃんは、サエコさんの真後ろから何も言わずに肩に手をかけたようです。これでは、サエコさんがビクッとするのも無理はないでしょう。
このような“魔の空間・恐怖の空間”からの話しかけや行動の場合、
・名前を呼びかけてから、話をする。
・何をするかを伝えてから、行動を起こす。
といったことが必要となるでしょう。
特に歯科医院では、患者様がチェアー(ユニット)に座った後は、後方からの話しかけや行動が多くなります。車椅子の誘導をする人も同様です。このような時に、はじめに患者様の名前をお呼びしたり、「何をします」とお伝えしてから体や衣類に触れることが常にできていれば、相手の恐怖心や不安は少なくなるでしょう。これも相手に対する思いやりの一つ(配慮の一言)ではないでしょうか。
心は形に表さなければ、なかなか相手には伝わりにくいものです。
貴方の優しい一言が、貴方の優しい呼びかけが、相手を思いやる行為として相手へ届きます。