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妊娠中の職員に求められる就労への配慮とは?

医療機関でよくみられる人事労務トラブル実例Q&A

Q 先日、女性職員から妊娠をしたとの報告を受けました。そのため、業務遂行にあたって、何らかの配慮をしてあげた方がよいかと考えているのですが、法律上、求められていることがあれば教えて下さい。

A 母性保護を目的とした配慮として、本人からの請求に基づく軽易な業務への転換や時間外労働・深夜労働をさせない等といった配慮が、労働基準法等の法律によって求められています。

詳細解説

妊娠中や産後1年を経過しない女性職員には、妊娠や出産等に伴う母体機能への生理的・身体的な配慮として、労働基準法や男女雇用機会均等法において、様々な就労制限が設けられています。具体的には、以下のような配慮が求められています。

1.軽易な業務への転換

本人からの請求があれば、他の軽易な業務への転換が必要となります。軽易な業務とは、身体的な負担が軽減された業務ですが、現実的にそのような業務がない場合に新たに業務を創出することまでは、法律上求められていません。また、本人からの請求がなければ、従来どおりの業務に就いてもらうことになりますが、経営者としては安全配慮義務の観点から、あまり無理をさせないように配慮することが求められます。

2.時間外労働・休日労働・深夜労働の制限及び変形労働時間制の適用制限

原則として、従来どおり就労をさせても問題はありませんが、本人からの請求があれば、時間外労働、休日労働、深夜労働(午後10時から翌午前5時)をさせることはできなくなります。従って、夜勤免除の申請があれば、受け入れる必要がありますので、勤務シフトを組む際には、多少人員の余裕をみておかなければならないこともあります。また、変形労働時間制を適用して勤務シフトを組んでいる場合には、本人の請求があれば、その適用から除外することが求められ、1日8時間、1週間40時間を超過して就労させることもできなくなりますので、注意が必要です。

3.保健指導または健康診査を受けるための時間の確保等

定期的な検査や保健指導を受けるために、本人からの請求があれば、受診等に必要な時間を確保することができるような配慮も求められます(下表)。なお、この時間については無給で構いません。

以上のように様々な就労制限が設けられていますが、こうした配慮を行い、働きやすい職場としていくことで、職員の定着が期待できるでしょう。

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