H26診療報酬改定、介護施設にも影響
平成26年度診療報酬改定が行われました。今回の改定には、福祉施設にとっても影響が大きいと考えられる「在宅医療を行う医療機関に対する診療報酬の見直し」が行われています。今回はここに注目します。
同一建物の利用者への診療に厳しい評価
介護施設への影響が大きいと考えられるのは、在宅時医学総合管理料(在総管) 、特定施設入居時等医学総合管理料(特医総管)等、在宅医療に関する点数の大幅な引き下げです。
「在総管」とは、在宅療養中の利用者に定期的な訪問診療を行った時に加算される診療報酬で、在宅医療を行う医療機関の経営の柱となっています。
また、「特医総管」とは、居住系施設に居住している利用者を対象とした管理料で、「在総管」の施設版のような位置づけの点数です。今回の改定の目玉は、この「在総管」「特医総管」について、同一建物における複数訪問時の点数が新設されたことです(下表)。これにより、介護施設や集合住宅等の同じ建物に居住する利用者を1日に複数訪問する場合には、新設された「同一建物」の点数が対象となり、実質、4分の1程度まで引き下げられることになります。
看護も同様の引き下げ
保険医療機関等が経済的誘因によって利用者紹介を受けることを禁止すべく、訪問看護についても、訪問診療と同様に同一建物における評価の引き下げが行われます。
これら引き下げは在宅医療を行う医療機関の経営に大きく影響を及ぼすため、今後、在宅医療への参入見合わせ、縮小等を行う医療機関も多く出てくるものと予想されます。