医療、福祉業の初任給に関するデータ
4月は新年度の始まりです。新入職員が加わるという福祉施設もあることでしょう。ここでは、新入職員が初めて手にする給与、初任給に関するデータをご紹介します。
高専・短大卒以外は減少
厚生労働省が毎年発表している「賃金構造基本統計調査(初任給)」(※)から、平成24年と25年の医療、福祉業の学歴別初任給をまとめると、下表のようになります。
25年の初任給は、高専・短大卒を除くすべての学歴で24年に比べ減少しました。特に大学院修士課程修了の減少幅が大きくなっています。
25年の金額をみると、大学院修士課程修了は男女とも20万円を超えています。男性が20.4万円なのに対して、女性が20.5万円となっており、24年に引き続き女性の方が高くなっています。大学卒も同様に男性が18.9万円で、女性は19.3万円となっています。一方、高専・短大卒は男性が18.0万円、女性が17.3万円と男性の方が高くなりました。高校卒については、男性が14.5万円なのに対して女性が14.8万円と、女性の方が初任給が高くなりました。
目立つ大学院修士課程修了の低さ
次に前記調査から、全業種平均の初任給を100とした場合の、医療、福祉業の初任給を学歴別にまとめると右表のとおりです。
全業種平均を上回っているのは、高専・短大卒のみとなっています。その他では、大学卒の女子が99、高校卒の女子が98と全業種平均と近い数字になっています。
一方、大学院修士課程修了をみると、男性が90、女性は89と、全産業平均より10ポイント以上も下回っています。また高校卒の男性も92と低さが目立ちます。
今年の初任給はどのような金額になるのでしょうか。
※厚生労働省 賃金構造基本統計調査(初任給)
10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所(65,007事業所)のうち、有効回答を得た事業所(49,453事業所)の中で新規学卒者を採用した事業所(14,321事業所)を取りまとめた調査です。
ここでの初任給は、通常の勤務をした新規学卒採用者の所定内給与額(所定内労働時間に対して支払われる賃金で、基本給の他、諸手当が含まれているが、超過労働給与額は含まれていない)から通勤手当を除いたもので、新規学卒採用者数による加重平均となっています。詳細は厚生労働省の次のURL から確認できます。http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/53-1.html