医業継続に係る納税猶予制度創設
今回は、平成26年度税制改正大綱のうち「医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の創設」について、簡単にふれます。
持分ありの医療法人が対象
この制度は、まず持分の定めのある医療法人に関する内容である、ということを前提としてとらえていただく必要があります。つまり、平成19年4月以降設立の社団医療法人は出資持分のない法人しか設立することができなくなっているため、19年4月以降設立の社団医療法人については、この制度は関係のない話となります。
制度の概要
この制度での納税猶予を受ける条件のうち、主なものを次に列記しました。
- 認定制度施行日以後の適用であること
- 担保の提供が必要であること
- 対象となる医療法人が認定医療法人(仮称)(※)であること
たとえば納税猶予を受けた後、移行期間(3年間)満了までに出資者全員が持分のすべてを放棄した(=持分の定めのない医療法人へ移行した)場合には、猶予税額が免除されます。一方、その移行期間満了までに持分の定めのない医療法人へ移行しなかった場合等には、猶予税額に利子税をあわせて納付することになります。
医療法人に対する贈与税課税は変わらず
持分の定めのない医療法人へ移行した場合の医療法人に対する贈与税課税については、これまでの要件と同一のままとみられています。つまり、同族役員で経営できる状態でこの制度を利用して持分の定めのない医療法人へ移行した場合には、猶予税額は免除されるものの、医療法人の贈与税課税は免れないことになるため、注意しましょう。
※認定医療法人(仮称)とは、良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律に規定される移行計画(仮称)について、認定制度施行日から3年以内に厚生労働大臣の認定を受けた医療法人をいいます。
理学療法士、医師の指導なしで転倒防止等の指導が可能に
介護補助事業の転倒防止指導等の「診療の補助」に該当しない業務について、理学療法士はその名のもとで、医師の指示なしに行うことができることが厚労省から都道府県に発せられた通知(医政医初1127第3号 平成25年11月27日)で明らかとなりました。