患者のプライバシー保護
医療機関を受診する患者にとって、プライバシー保護は気になるところです。貴院では、患者のプライバシー保護に配慮していらっしゃいますか。ここでは、昨年発表された厚生労働省の調査結果から、病院のプライバシー保護に対する満足度をみていきます。
「不満」が減少するも「満足」も減少
厚生労働省の「平成23年受療行動調査」(※)から、外来患者の診察時のプライバシー保護の対応に対する満足度をみると、次のようになります。
診察時のプライバシー保護の対応について、「満足」と回答した割合は、平成14年をピークに減少傾向にあり、23年には38.4%となりました。一方、「ふつう」という回答は増加傾向にあり、23年には40.4%と「満足」を上回りました。ただし、「不満」と回答した割合は14年をピークに減少しており、23年には3.4%となりました。
医療機関の診察時のプライバシー保護の対応について、不満に感じる外来患者の割合が減少傾向にあるのは、好ましいことだといえます。ただし満足している外来患者の割合は減少傾向にあるため、この部分の取組を進めることで、競合他院との差異化が可能になるのではないかと思われます。
個人情報保護法が施行されて以降、患者はプライバシーに関しての関心が高まっています。そのため、医療機関としてはプライバシー保護に努めているつもりでも、患者からみると当たり前としか感じないこともあるでしょう。今一度、自院の患者のプライバシー保護への取組について、見直してみてはいかがでしょうか。
ガイドラインも確認を
また、厚生労働省のサイト上(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/seisaku/kojin/)には、医療機関や介護関係事業者向けの個人情報の取扱いのためのガイドラインが紹介されています。このガイドラインは何度か改正が加えられているので、最新の情報を確認しておきましょう。
※厚生労働省「平成23年受療行動調査」
全国(岩手県、宮城県及び福島県を除く)の一般病院を利用する患者(外来・入院)を対象として、層化無作為抽出した一般病院(500施設)を利用する患者を客体とした調査です。有効回答数は150,620件となっています。詳細は、次のURLでご確認ください。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/34-17.html